ブログ京橋店

2017.2.24

「焼き方」の基本

少しずつ春の訪れを感じてくる2月、

当店では身も心も温まるお料理をご用意してお待ちいたしております。

今月は「焼き方」について少しお話します。

 

焼き方について

食材に火を通すいと単純な調理法「焼き物」。

しかし、日本料理の「焼き物」はその焼き方も味付けも、多種多様でございます。

そんな、焼き物に関する基本をまずは紹介いたします。

 

〈“直火焼き”と“間接焼き”〉

 

炭火、ガス、電気を熱源とした焼き台やコンロなどを使って、直接火を当てて調理する方法が直火焼き。

直火焼きと一言でいってもその方法は様々です。

熱源に焼き網をのせて、放射熱を利用する焼き方、

食材を炎にかざして焼く炙り、バーナーの火を当てて食材の表面に焼き色をつける方法もあります。

単純な焼き方ですが、食材をきれいに美味しく焼き上げるには、火力の微妙な調節や経験が必要です。

 

間接焼きは、熱源と食材の間にフライパンなどの調理器具を置いて、直接火を当てない焼き方です。

日本料理では、間接焼きの手法はよく使われていて、焙烙を使った「焙烙焼き」が有名です。

また、石の上に食材をのせて焼く「石焼き」、乾燥させた朴葉を使った「朴葉焼き」もあります。

そのほかにも、和紙やアルミで包んで焼く「包み焼き」も間接焼きの一つです。

 

ですが、日本料理の焼き方には、直接的でも間接的でもない焼き方があります。

例えば、「杉板焼き」。

これは、食材を一度、直火で焼いてから、水で湿らせた薄い杉板で包んで、再度火を当てて食材に杉板の香りを移す焼き方です。

これは、直火焼きと間接焼きの両方を使っています。

また、水で湿らせた厚手の杉板の上に、生の食材をのせたり、はさんだりして焼き台またはオーブンなどで焼くという方法もあります。

この「杉板焼き」のように、日本料理には直火焼きと間接焼きを合わせた調理法がけっこうあるのです。

 

〈日本料理の焼き物の世界〉

 

かますの幽庵焼き、鱧の有馬焼、鯛の利休焼きなど、使ってる魚は分かりやすいですが、

それらがどうゆう焼き方なのか、使用する調理器具、味付け、手法、名称など、その料理の特徴を基本として、

焼き物の料理名を詳しく2回に分けて説明していきます

 

まずは、調理器具での焼き物の特徴です。

【石焼や水晶焼きなど石などのプレートを熱しその上で焼く物】

近江牛石焼、白子水晶焼きなど。

焙煎焼、蓋をして蒸し焼きにした宝楽焼き、松葉を敷いて香りを移した松葉焼などもあります。

 

【鍬焼、フライパンや鉄板などで甘辛く焼く】

その昔、農民が鍬の上で野鳥を焼いたことに由来している調理法です。

 

【貝焼き、ホタテや、さざえの壺焼きなど貝を道具して焼いたもの】

包み焼き、奉書焼きや笹焼きが有名です。

 

次に特徴的な味付けの焼き物をご紹介します。

【つけ焼き、照り焼き】は、醤油、酒、味醂などで合わせ、数回に分けてかけ焼にした物。

照り焼きは味付けが少し濃くなります。

 

【木の芽焼】は、木の芽を叩いて細かくした山椒の葉をつけ焼きや、かけ焼をした魚に振り掛け、木の芽の香をつけてやく焼き物。

山椒の粉を振り掛けた焼き物は、山椒焼として区別する事もあります。

 

【田楽焼】は、豆腐や、茄子、大根などに田楽味噌を塗って焼く焼き物。

田楽味噌とは、味噌に柚子や木の芽、胡麻、大豆などを入れて調味した練味噌のことです。

 

【味噌つけ焼き】は、食材を調味した味噌に漬け込んだから焼いた物。

西京焼きや、諸味噌を使った諸味焼などがあります。

 

【粕つけ焼き】は、酒粕を、味醂や味噌でのばして漬け込んで焼いた物。

 

【酒塩焼き】は、酒に塩を加え酒塩を作りつけこみ焼きます。また、仕上がりに酒塩を振り掛けて焼く事もあります。

 

【化粧焼き】は、仕上がりの美しい焼き物の総称で、鯛のひれなどに塩を付け焼く方法や、雲丹をのせると雲丹焼、玉子の黄身を使って焼くと黄身焼、菜の花を合わせると、菜種焼と言います。また、ケシの実を散らして焼いたものを松風焼と言います。

 

今回は、2回に分けて次回にも、焼き物の名称を紹介させていただきたいと思います。

 

香水亭京橋店では、2月の会席の献立の中に柳鰈の若狭焼きをご用意しております。

スタッフ一同、最高のおもてなしと、美味しい料理をご用意しお待ちいたしております。

是非旬の食材をご賞味くださいませ。

香水亭京橋 写真

 

香水亭京橋店 料理長 輿石修

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