ブログ京橋店

2016.12.17

祝儀知識とおもてなし 香水亭京橋店 料理長 輿石修の初ブログ

今年もあとわずか、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私事ではありますが、2017年、年男でございます。

 

皆様も日々過ごしていく中、誕生日や記念日、様々なお祝い事があることと思います。

今回は、お顔合わせ、結納、銀婚式や金婚式、大切な日をさらに特別に。。。

ちょっとした知識や献立内容をご紹介いたします。

 

【祝儀知識とおもてなし】

結納や婚礼は、お祝いの儀式で家と家、本人と本人の縁が末永く続き、堅く結ばれて幸せな家庭を築けるようにと願って、数々の縁起物が用意され、想いが込められています。

 

・祝い箸は柳の両細箸が原則

まず、祝い箸は白木の箸で柳の細丸箸が基本です。

これを金銀や、紅白の水引を掛けた箸包みなどに入れて使います。柳は春一番に芽吹くので、おめでたく、「柳に雪折れなし」と言われるように強くて、折れにくい、邪気払うと言われる理由から縁起が良いとされています。柳は「家内喜」とあて字を使うこともあるんですよ。

 

・飲み物

祝いの席では、「茶を濁す」「茶化す」「茶々を入れる」などの理由から、お茶は出さないのが習わしです。

その代わりに桜湯や昆布茶、梅昆布茶、または葛湯「九重湯」などをお出しします。

 

・料理 献立

料理は、 喰い切が基本です。九品構成の会席で、配膳の作法や献立の構成の定式に縛られず、美味しい物を自由な雰囲気の中で食べていただくのが「喰い切り料理」の特徴です。ただおいしい料理を並べるだけではなく、普段とは違うお祝いの気持ち、特別な思いを盛り込み、古き良き伝統を守り、敬意と祝意を最大に表す工夫を欠かさないことが大切なんです。また、献立には「御」を付け丁寧な気持ちを表します。

(例えば)御祝肴 御吸物 御差身 御造り 御口代り 御鉢物 御家喜物 多喜合せ 御寿の物御食事 など

また食材では、

唐墨→加良寿美 家来寿美、豆腐→豆富、鰹節→勝男節、昆布→子生婦 蛸→春子 春日子、数の子→加寿の子 小蕪→子家婦などと表現することもあります。

 

・祝い肴はおめでた尽くし

祝肴とは、おめでたい口取を、とりどりに盛り合わせた物です。祝儀の献立の中でも最大限に祝賀の趣向を凝らすことができる一品です。

もともとは儀式用の酒の肴から発して、その後は、嶋台という白木の板に、松竹梅、高砂、蓬莱山といった箱庭のような装飾を施し、そこに少量の口取を添えて、床の間に飾るようになったものです。

さらにそれが、口取肴をメインにした形へと変化し、食べる料理へと発展しました。甘い物を主として塩辛い物、醤油味のものなどが盛り込まれ、宴席の中で床の間からおろして参会客に取り分けられましたが、その場で食べずに、折詰などにしてお土産として持ち帰るのが習わしでありました。そのため、いずれも味付けは濃いめで、火入れもしっかりと行い、日持ちするように作られたものが中心となりました。

現在では、手間暇のかかる口取肴を、何品も盛り合わせた祝肴が出されることは少なくなりましたが、五品でも三品でも、献立の中に取り入れることで、お祝いらしい雰囲気を盛り上げることができますね。

 

・おめでたさを随所に表現

祝肴の魅力はバラエティーに富んだ料理の組み合わせと、そこに込められたおめでたいストーリー(縁起)です。

海山の様々な食材を使い、これを喜びの形にして味付けの違いを出し、変化をつけて仕上げることがとても大切。例えば、海老、鱚、豆、山芋等の食材を巻いたり、結んだり、重ねたり、包丁したりして形を作り、含め煮にする、和える、焼くといったように工夫を凝らし、同じような色や形、味が重ならないように配慮しています。さらに、長寿を強調する、夫婦円満を表す、子孫繁栄を祝う、出世、栄達を願うなど、それぞれのいわれに託して祝いの気持ちを随所に込めます。

祝肴は、食材から調理法、形、盛り付け、料理名に至るまで、おめでた尽くしに仕上げたいものです。また、盛り込む種類、数はともに奇数が原則とされています。これらの、祝肴は、現代においては、その場で食べられることがほとんどだが、手数をかけることが多く、大量の場合は特に、早くから仕込みが必要なものが多い為、昔ほどではないが味付けは濃いめに、火入れはしっかりとすることが基本です。

 

今の時代、「おいしければそれでいい」という価値観が主流になり、昔から大切に受け継がれてきた日本料理の繊細な技術や知識が、若い人に伝わらなくなってきていいると感じます。

実際に婚礼を料理屋で行うケースは激減していますし、日頃の営業でも、効率主義一辺倒。

伝統的な仕事をきちんと伝えられる親方や先輩が少なくなり、伝えようにも伝えられないという現実があるかもしれません。

 

日本料理のすばらしさはどこにあるのか。

それは、「らしさ」の表現だと私は考えています。食べておいしいのはもちろんですが、それだけではなく、そこにおめでたらしさ、其々のおめでたらしさ、其々の行事らしさ、季節らしさを出して、お客様への思いを込める、そのことによって、付加価値を高めることもできますし、何よりお客様への気持ちが伝わります。

中でも、最も「らしさ」が求められるのは、冠婚葬祭の料理ではないでしょうか。冠婚葬祭の料理には、まさに日本料理の粋が凝縮されているといっても過言ではありません。

これからも、料理人として、日本のおもてなしの心を大切に、皆様のご多幸をお祈りしながら、つくりつづけていきたいと思います。

お祝いのお席には是非、香水亭京橋店でお越しくださいませ。従業員一同、心よりお待ち申し上げております。

 

・・・皆様の大切な日がさらに特別な日になりますように。

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瓢喜香水亭京橋店 料理長 輿石修

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