ブログ京橋店
2017.1.19
香水亭京橋店 食材のこだわり ~出汁の基本~

2017年
皆様、本年も香水亭京橋店をどうぞよろしくお願いいたします。
出汁へのこだわり
年初めのお題は、「出汁の基本」です。
出汁は各店、各料理人が一番といっていいほど、こだわりを持っていると思います。
どのお店も御椀物がつくと思いますが、その出汁についてちょっとした基本を紹介いたします。
「出汁って何か」
出汁とは、食材のうま味、香りを、水または、湯に出したもので、その素材が凝縮されたものです。
その出汁を使って料理されたものは、出汁のうまみ・コクによって深い味わいとなります。
またそれぞれ素材のうまみを引き出し、調和させる役割を持っていると考えられています。
ですので、その出汁がおいしくないと、どんなに良い食材を使って、どんなにうまく調味しても
料理が生きてこないと思います。
出汁は料理の基礎とも言えるのではないでしょうか。
「うま味とは何か」
主なうま味成分には、昆布のグルタミン酸 鰹節のイノシン酸 干し椎茸のグアニル酸があります。
これらのうまみ成分はすべて、日本人の科学者が発見したもので、
それらを使う日本料理を味わっていたからこそ、発見できた物だと思います。
出汁は十人十色で、日本料理店でそれぞれ違います。
料理人はそれぞれに考えがあり出汁の素材選び、だしの取り方のこだわりを持つていて、その出汁に哲学が詰まっているといえるでしょう。
「基本 出汁の素材」
日本料理には欠かせない出汁の素材は、昆布、鰹節、煮干し。
これらは、単体でも使われることもあるが昆布、鰹節などの組み合わせて使うことで、それぞれうま味成分の相乗効果でよりおいしさを発揮することが出来ます。
甘みの強い植物性とコクのある動物性。
昆布、鰹節、煮干しの他にもたくさんの素材があります。
植物性のだしでは、野菜などの生のものや、大豆、干し椎茸、かんぴょうなど、乾燥させた物が代表です。
生野菜の中でもネギ類は、うま味や香りが多く、
またトマトには、グルタミン酸が多く含まれているため出汁の役割を果たすともいわれています。
そのほかには、牛蒡などの根野菜も香りがよい出汁がとれます。
乾燥させた素材は水で戻し、そのもどし汁が出汁となることも多いです。
干し椎茸やかんぴょうは、甘みの強い茶色い出汁がとれます。
動物性の出汁の素材は、魚介類、肉類、それらの骨で出汁をとります。
魚介類は、乾燥した海老の頭や魚のあらなどでも出汁をとることも出来ます。
肉類は、スッポンや、鶏、イノシシなど、肉からはもちろん、骨からも出汁がとれアミノ酸が多く含まれています。
植物性に比べ、コクのある濃い出汁がとれます。
植物性も動物性も基本となる昆布や、鰹節などと合わせて使うことも多いです。
鰹節にはたくさんの栄養がバランス良く含まれています。
タンパク質、ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸など)、リン、マグネシウム、カリウムなどの栄養素が含まれています。
特にビタミンB群は豊富で、美肌効果、抗ストレス効果や動脈硬化を予防する作用などがあります。
最近の研究では、ビタミンB軍に含まれるナイアシンが認知症予防効果もあると言われています。
さて、香水亭京橋店では、ほとんどの会席に白味噌仕立てや、澄まし仕立てなどの御椀物がついております。
是非、出汁をご賞味くださいませ。
従業員一同、心よりお待ちしております。
瓢喜 香水亭京橋店 料理長 輿石修