ブログ六本木店
2017.7.21
七夕の頃に夏の食材(野菜編)

蒸し暑い様な、寒い様な日が続いています。お身体に御無理されていませんでしょうか?
七月といいますと梅雨真っ盛りで、ジメジメしたのが半分、後半は盛夏に向かって暑くなってまいります。日本では、夏の美味しいお野菜がたくさん出てまいります時期です。
玉蜀黍(トウモロコシ),トマト、獅子唐、茄子、胡瓜など旨味の濃い野菜たちが勢ぞろい。
本当に美味しいですよね。
なんだ、年中ある野菜だよ。なんて思ってる方!!
ハウス栽培の軟弱者とは違いますよ。太陽の味がします。
何、太陽なんか食べたことないからわからない?
わたしも、実はわかりません、、、でも!太陽の味がするんです
。青々しい香り、甘味!つい興奮してしまいましたが、とにかく美味しい。
ビールが進んでしょうがない。尿酸値も進んでしょうがな、、、というのはさておき。
美味しい夏野菜が勢ぞろいしてくるのです。
では、ご紹介。
胡瓜類
白瓜、四葉胡瓜などでハウスのものと比べて香りも強く野性味あふれています。
ハウス物の胡瓜はブルームレス胡瓜と言いましてトゲトゲのないまっすぐな胡瓜でございます。
まっすぐで長さも揃っていて寿司に巻きやすいという利点の反面、香りと、歯ざわり、甘味にかけやすくなってしまいます。
どうしてその様な野菜ができたかというと、見た目が良いと売れる。
寿司屋が使いやすいというのが生産者にとって魅力的だということです。
トマト
美味しいトマトは、お尻に青い星があります。
程よい硬さ、色で、星があるものが良質なトマトです。
糖度が高いと皮が固いものが多いです。
そこで湯むきをすることもあるのですが、皮が甘いので皮ごと食べるのが一番美味しいかと私は思います。
最近は、『プチプニ』という皮も柔らかいものも出回り始めたのですがまだ量産と輸送には、不向きな様でまだまだ安定した出荷には時間がかかりそうです。
『桃太郎ゴールド』という品種もあるのですが、まだうちの近所の畑でしか見たことがなく、こいつがまた美味い、本当に太陽の味がします。
冷え冷えにして、塩をつけながらビールを飲むと生きている幸せを感じます。
色も太陽の色をしています。
玉蜀黍(トウモロコシ)
現在、もろこしの中で一、二を争うのが『ゴールドラッシュ』という品種と『ピュアホワイト』という品種です。『ゴールドラッシュ』は、黄金色で手がベトベトするくらい甘くみずみずしく、『ピュアホワイト』は白くて甘く、後に残る香りが素晴らしく良いです。
調理法としましては、すり流しという和風のスープにしたり、真薯に合わせて揚げてさつま揚げ風なものにしたり、もろこしご飯にしたりします。
もろこしの芯は、昆布と合わせて水から煮出すと素敵な御出汁が取れるので是非お試しくださいませ。
すり流しを、伸ばす出汁や、ご飯を炊く出汁はこの出汁を使っています。
先日、京都から手伝いに来てくれていた職人さんは、『なんばん』という言葉をしきりに使っていました。
京都では、『なんばん』と言うそうです。
獅子唐
獅子唐に油を塗って焼いて鰹節を振りまき醤油を垂らす。私の大好物です。
これには、きんきんの日本酒か、冷え焼酎が合います。しみじみと少しずつ楽しめます。
獅子唐は、たまに当たりがありますね。油断すると鋭い一撃がビックリさせてくれます。
これは、諸説ありますが、唐辛子の花粉を間違えて虫達が獅子唐に運ぶと辛くなるなんて言う説もあります。
真相は不明ですが、、、
満願寺唐辛子という京都の唐辛子は、甘く肉厚で美味しいものです。
こちらは、満願寺で舶来のピーマンと唐辛子を掛け合わせて栽培したのが始まりと言われております。
肉詰めなんかも美味しいんです。
獅子唐は、油との相性が最高に良い食材です。
茄子類
茄子です。焼いても煮ても揚げても美味しい食材です。
日本では茄子といえば茄子紺色(伝統色)ですが、海外の茄子は緑や白の茄子が多く流通しています。
色素は、ナスニンという色素です。ベタですね、、、
最近、私のお気に入りの茄子は『やきなす』です。
何、焼きなすかよ?という方、実は『やきなす』という名前の茄子なのでございます。
新潟県北区木崎だけで作られている伝統野菜で、身が柔らかく非常に美味しい茄子です。
もちろん、焼きなすにするのが私は最良の茄子かと感じます。
料理名は『やきなすの焼き茄子』というややこしい名前になりますが、繊維の具合が良く口に残らないぐらいとろけます。弱点は、油の量を間違えると油を吸いすぎてしまう所なので、私は揚げない方が良いかと感じました。
切断面に油を塗って焼くくらいにしますと美味しく仕上がります。
もう一つおすすめの茄子は、賀茂茄子です。
京都の伝統野菜で非常に筋肉質の茄子です。
茄子に筋肉があるかは知りませんが、、、田楽に、揚げ浸し、筋肉質なので身の旨味もギュッとしていまして、とろける感じではないのですが「茄子を食べてる」という感じが魅力の茄子です。
この様に夏は、美味しい野菜がいっぱいです。体の熱を冷ましたり夏ばて予防の効果があったりしっかりバランスよく食べると良いようです。
生姜と一緒に食べると冷えすぎ予防にもなりますのでお試しください。
次回は、夏の魚についてお話ししたいと考えております。
織姫と彦星が出会えることを祈ってお終いとさせて頂きます。
ではまたよろしくお願い致します。
瓢喜 香水亭 六本木本店 料理長 鶴水与作