ブログ六本木店
2018.3.12
春の山菜色々

ようやく寒さも和らいでまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
長かった冬が終わり、いよいよ春本番といった所ですね。
さて、先月はお休みさせていただいたこちらのブログですが、今月よりまた再開させていただきます故、皆様お付き合いの程、何卒宜しくお願い致します。
本日は春本番ということで、春の山菜について少々お話させていただきたく思います。
「春には苦味を盛れ」という言葉がございますが、この苦味には冬から春の身体に変わるメカニズムをスムーズにする働きがあると言われているのです。
冬眠から目覚めた熊が初めに口にするのは「ふきのとう」といわれている物で、とても苦味の強い食材です。
この苦味を体内に取り入れることで眠っていた身体を目覚めさせるためとも言われております。
他にも山菜には独特の苦味や香りが強い物が多く、また抗酸化力の高いポリフェノール群が豊富に含まれております。
これらの山菜を上手に体内に取り入れ、冬の間に溜まった老廃物や脂肪を排出し、しっかりと春の身体を作り、やがて訪れる暑い夏をしっかりと乗り切る身体を作りあげていきましょう。
ではいったいどういう山菜があるのかを紹介していきたいと思います。
まずは比較的山菜の特徴とも言えるアクの軽い山菜の紹介です
あく抜きといいますと基本的に湯がいたりして火を入れた後に冷水にさらしてから水気をきってアク抜きをしますが、中には天麩羅などで食べる場合は生の状態のままから調理し、あく抜きの必要がない物もございます。
主な食材といたしましては
あしたば、うるい、行者にんにく、クレソン、せり、のびる、みず等がございます。
逆にアクの強い物といたしましては
わらびやぜんまい、たらの芽やよもぎが有名ですね。
たらの芽等は天麩羅などでよく食べられる食材ですが、それは山菜が油との相性が非常に良く、油で揚げることにより程良く苦味が抜け、さらに風味が増すのです。
山菜の苦味が苦手な方には天麩羅がおすすめです。
ほどよい苦味と山菜の風味を楽しむのに味付けは塩のみでシンプルに召し上がるのがお勧めです。
また、天麩羅以外にもお湯でゆがいて冷水にさらし、水気をきってお浸しや煮物等として食べることも多いですね。
うるいやせり、みずなどはくせが少ないのでお勧めです。
その他にはのびるですと天麩羅だけでなく球根の部分を生のまま味噌をつけて食べたり、山うどですと葉や新芽の部分は天麩羅に、茎は皮をむいて酢水につけてアクを抜きそのまま食べたり、湯がいて酢味噌和えや煮物などにしたり、行者にんにくはその名の通りにんにくの香りがするので炒め物にしたり、醤油漬けなどもおいしいですね。
また、アクの非常に強いわらびやぜんまいに関しましては少し特殊な下処理をします。
わらびは灰などを入れてゆがき、冷水によくさらしてからお浸しや和え物等に使い、生のぜんまいはさらにアクが強いため、茹でてから一度天日で干して干しぜんまいにします。
こうすることによりアクが抜けるとともに風味が増し、かつ保存もきくため、昔は貴重な保存食でした。
最後に皆様よくご存知の筍なのですが、こちらは煎りぬかと唐辛子をいてて湯がき、冷水にさらしてから使用致しますが、中にはそのアク抜きの作業が必要ない筍もあるのです。
といいますのも筍の特徴である苦味やえぐ味なのですが、こちらは掘ってから時間が経てばたつほど増すのです。
つまり、掘り立ての新鮮な状態の物であればあるほど苦味やえぐ味は少なく、アク抜きをする必要がないということになります。
京都の最高級筍の白子筍は有名ですね。
新鮮な証である筍のお刺しみを楽しめます。
さて、ざっくりと春の山菜のご紹介をさせていただきましたが、今やスーパーなどでも良質な山菜を手軽に購入することができますが、さらに一手間かけ、腕によりをかけた山菜料理を当店でもお出しいたしておりますので、是非ともご賞味いただき、季節の移ろいを感じつつ健康な身体を保っていただければ幸いでございます。
皆様のご来店、心よりお待ち申しております。
瓢嘻 香水亭六本木本店 大宅 康平