ブログ六本木店
2019.12.31
茶事の順番について

茶事の順番には、細やかな決まりがあります。初めて茶事に招かれたなどと言う際は、「順番通りにできるか心配…」と思われるかもしれません。「茶事を楽しむこと」が最も大切ですが、やはりその順番も知っておきたいところですよね。
本日は、「茶事の順番」についてお話させていただきたいと思います。
茶事とは
そもそも「茶事」とは、食事やお茶のお点前を含める正式な茶会のことを言います。「茶事」の一般的な読み方は「ちゃじ」ですが、表千家では「さじ」と呼ばれています。茶事の一番の目的は、お茶を美味しくいただくことで、少人数を招いて行うものです。
茶事は、ヨーロッパで言う晩餐会のようなものですので、日本の正装である着物を着て参加します。着物でない場合は、スーツを着て参加しましょう。
茶事の順番について
「フルコースの茶会」とも言える茶事の大まかな順番は、茶の湯を沸かすための炭をつぎ足し、懐石と呼ばれる食事を差し上げて、濃茶をお出しし、一番最後に薄茶を差し上げる、というのが一連の流れです。もう少し詳しくお伝えすると、次のような流れとなります。
①待合:茶室に入る前の準備を行うことを、待合と言います。
②席入り:席入りとは、手と口を清めた後に、茶室に入ることを言います。「にじり口」と呼ばれる小さな入り口から入ります。
③初座:席入りが終わって全員が席に着くと、茶事の準備である「初座」が始まります。初座では、懐石や主菓子をいただきます。
④中立:「中立」とは、懐石と主菓子が終わった後の休憩のことです。この時に、客は庭を拝見します。
⑤後座:休憩の後は、茶事の後半に当たる「後座」が始まります。
⑥退席:
懐石や主菓子をいただく「初座」が茶事のメインだと思われるかもしれませんが、中立と呼ばれる休憩の後の「後座」が茶事の本番です。「後座」では、客が茶室に戻って席に着く「席入り」から始まり、「濃茶」が出されます。この「濃茶」の場合は、お茶を「立てる」のではなく、「練る」と言われます。練られた濃茶は、1つの茶碗で回し飲みをします。これには理由があり、1つの茶碗で回し飲みすることによって、客同士の心を通わせるためなのです。次に出される「薄茶」を飲む際は、1人1つの茶碗で出されます。亭主が薄茶を立てている間は、お干菓子という軽いお菓子をいただくのが決まりです。
このように、一つひとつのプロセスが詳細に決められている茶事ですが、忘れてはならない目的はお茶を楽しむということです。茶事に招かれた際には、ぜひお茶を楽しむことを忘れないでくださいね。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております。