ブログ六本木店

2017.2.8

俳句や短歌で使われる季語について

いくらか寒さも緩み、皆様におかれましてはますますご健勝の事とお喜び申し上げます。

いくらか寒さは和らいできたものの最近は木枯らしが吹き荒れる日が多く感じられますね。肌を刺すような寒さは身体に堪えます。

俳句の季語について

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ところで、「木枯らし」といえばこんな俳句があるのをご存じでしょうか?

「こがらしや 海に夕日を 吹き落とす」

これは、夏目漱石が詠んだ俳句で、こがらしがすさまじい勢いで吹き荒れている。

そのさまは、西に傾いた冬の夕日を海に吹き落とすかと思われるくらいだ。という意味だそうです。

 

なぜ突然俳句をご紹介したのかと申しますと、今回は1月の季語についてお話していきたいからです。

季語は皆様ご存じかと思いますが、改めてご説明致しますと、連歌、俳諧、俳句において用いられる特定の季節を表す言葉を言います。いわばキーワードのようなものですね。
では、1月の季語はどんなものがあるかと言いますと、新年、元旦、初日の出、初詣、初明かり、初富士、白朮参り、年賀、お年玉、年賀、門松、双六、書初め、雑煮、鏡餅、屠蘇、独楽、羽子板、獅子舞、福引、初売り、初荷、仕事始め、初夢、宝船、初笑い、寒の入り、小寒、 寒の内、松の内、成人の日、雪、雪見、竹馬、スキー、かんじき、氷、寒梅などお正月を連想させるお馴染みのものが多いですよね。

 

季語はいつから使われているのか

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そもそもこの季語はいつごろから使われてきたのかと言いますと、
万葉集が書かれた頃から季節と詩歌の関係が深くなり、季語が成立したのは平安時代後期であると言われています。
能因歌枕では月別に分類された150の季語を見ることができます。その後、鎌倉時代に連歌が成立すると、複数の参加者の間で連想の範囲を限定する必要性から季語を必ずいれなければならないという約束事もできました。連歌の最初の五七五の句には必ずそのときの季節に合わせて詠むべきものとされ、室町時代にはすでに270ほどの季語ができていたそうです。
そして、江戸時代明治時代と続いていき、今なお俳人が俳句に取り入れ、それが歳時記に採集されるという形で増え続けており、現代の歳時記では約5000を超える数の季語が収録されています。
時代の流れとともにどんどん増えている季語はこれまでの私たちの生活の変化を近くで見続けてきた存在と言えますね。四季の移ろいを表し、俳句や短歌の重要な部分を表す季語を考え出した方々はきっと穏やかで自然に対してとても感受性の豊かな心を持っていたに違いありません。

 

古くから日本人は和の心を重んじてきました。和の心とは、個人を第一に考えるのではなく、集団における秩序や調和、また礼儀を大切にすることだと私は解釈しております。
私たち日本人は、集団生活において相手の気持ちや思いを読み取り、相手の波長に合わせて行動し争いを避けながら調和を保ってきました。また、お互いを信頼しあいルールを守ることができ他人に迷惑をかけないようにと努力してきました。ですが、そういった国民性が消極的と思われたり、自己表現ができないと批判されてしまったりもします。しかしその慎ましさと素直な心があったからこそ日本はここまで発展してこれたのだと思います。そんな日本人の古き良き心を大切にしていきたいものですよね。

 

そして、私も今まで以上に穏やかで感受性の豊かなまっすぐな心でお客様をおもてなしできるように改めて修行に励んでいきたいと思います。また、四季の移ろいを料理でも表現し、お客様にご満足いただける料理を創意工夫していく所存でございます。
皆様、是非当店にて料理の中に散りばめられた「季語」を探してみてはいかがでしょうか。

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