ブログ六本木店

2017.2.24

梅見月(如月)ですね

二月になりますと梅が見ごろに!!個人的には一月中旬から咲き始める『蠟梅(ろうばい)』が大好きな梅です。黄色い和蠟燭(わろうそく)の様な新春にふさわしい花で、これを見ると暖かい気持ちになるので毎年咲くのを心待ちにしています。

 

梅と和食とは古来より深い関係が御座います。

 

日本の代表的な加工品である『梅干し』それの汁を集めたもの梅酢で漬物を作ったりして日本人の知恵には驚かされるばかりです。

 

私達が今では毎日、お世話になっているはずの調味料。

 

大豆を塩蔵して醸造した物から精製した『醤油』が御座いますが、その前の時代は醪(もろみ)という荒いものを使っていました。

 

更にその前は、なんと梅干しを酒に浸して煮た汁を、『煎り酒』と称してお刺身やお浸し等、醤油の代わりに使っていたそうです。

 

このように、梅は私達に春を告げ良い香りを楽しませてくれるばかりではなく、食卓でも大活躍なのです。

 

そんな事を書いている私、、実は、、、梅干しが大の苦手、、、いや苦手でした。

 

この和食の業界に入ると、梅は否が応でも使います。

毎日、毎日、慣れるまでが大変でした。いやな先輩はワザとまかないに出して来たりして、、、(多分愛情です)しかし、ある時気が付いたのはペースト状の物は大丈夫であると言うことでした。何が嫌だったのかというと、そう!!しわしわの形状だったのです!!ということで暫くして食べられるようになりましためでたしめでたし、、、

 

これはいらない話でしたね。

 

梅は、ほかに鰯や秋刀魚などの青い魚と一緒に炊くと青臭さを取り除き、酸の力で骨まで柔らかくしてくれます。

 

京料理で、梅干しと言えば夏の代名詞とも言えるであろう。『梅雨の水を飲むと美味しくなる』といわれる鱧料理です。

 

弊社で行った懐石の試食会の時、上記で説明いたしました。

『煎り酒』で鱧の切り落としを提供したところ『美味しいけど物足りない、、、』とのコメント頂きました。やはり梅干しの裏ごしを調味した『梅醤油』の相性が良いとの事でした。

『私は、梅が得意では、、、』とは言いませんでしたが、、、やはり関西で鱧を食べなれている方は『梅』が良いようです。私は『醤油でも、、、』と梅を克服したので言いませんが。。。

 

梅の料理と言えば、和食の煮方さんの腕の見せ所。(煮方とは主に煮物を調理する店の味を決める重要なポジション)

『青梅蜜煮』という古き良き仕事があります。恐らく煮物の中でも一、二を争う難しい焚物です。それを、炊き上げる先輩はかっこよくて、いつか同じように出来るようになろうと思っていました。

 

若かりし頃これを覚えるために、用もないのに煮方さんの周りをウロウロしたりお茶をこまめに淹れに行ったりして覚えたものです。そもそも、教えてもくれないうえ気に入られないと相手にもされないような時代でしたから、必死でした。初めて青梅が綺麗においしく仕上がった時は、安堵感でニヤニヤしてしまったのを今でも覚えています。

 

炊き方と言いますと、人それぞれなのですが、重要なのが『我慢、忍耐、辛抱』です。

最初に良い梅を選び、洗ったら『針うち』という作業をします。ひたすら表面に針で穴をあけます。結構、地味な仕事なのでうつらうつらしますと、、、手に激痛が、、、サクサクっと手に針打ちしてしまったりします。目が覚めるので一石二鳥ですね。

 

その後、『あるもの』と塩をまぶして香りが立つのを待ちます。それから、銅鍋でゆっくり炊いて行きますがこれが忍耐のいる仕事でして梅を信じるのみ。そのうち、『青く』ならずに『茶色』になります、、、失敗です。と思いきや更に『梅を信じてあげてください』暫く炊くと『茶色』、、失敗と思いきやなんと『青く』なって来ます。銅イオンのパワーは、すごい!!

それを、流水でさらして蜜の濃度をゆっくりあげながら含ませていくと出来上がりです。

 

今月は、梅見月と言うように梅の月です。当店でも、梅のお料理ご用意しておりますので是非ご利用くださいませ。梅嫌いの方でも美味しいお料理でお待ちしております。

六本木 写真

香水亭六本木店 料理長 鶴水与作

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