ブログ六本木店

2019.11.7

鱧鍋(はもなべ)

皆様こんにちは。香水亭六本木本店料理長の岩田です。
本日は私のおすすめ、鱧鍋についてお話ししたいと思います。

鱧の旬の季節は2回

皆様ご存知かもしれませんが、鱧には旬が2回あります。最初の旬は夏、初夏の時期です。もう1つの旬は秋、晩秋の時期でございます。旬が2つ存在する理由は、産卵の時期に関係があります。

鱧が産卵期を迎えるのは夏真っ盛りの8月です。この時期の鱧は脂の乗りが少なく、身も痩せているので味が少し落ちます。しかし、産卵時期の前後となる初夏や晩秋は違います。6月~7月は産卵に備えて栄養を蓄えているので、美味しい時期となっています。

一方、産卵後である10月~11月は産卵で使った栄養の補給が終えて産卵前以上に栄養を蓄えた状態になっているので、美味しく食べられる旬と言われています。

初夏と晩秋の鱧の味わいの違いは?

では、初夏と晩秋で鱧の味わいはどう違うかというと、初夏の鱧はあっさりした味わいです。鱧は温暖な気候を好む魚なので、海水の温度が上がり始める6月~7月は動きが活発になり、そのため栄養を蓄えて脂が乗っているにも関わらず、あっさりと仄かに甘い味わいになります。身も締まっていて歯応えも良く、白身魚らしい食感となっています。特に、雨水を飲んで梅雨を越した鱧は、格別に美味しいと言われています。美味しい食べ方と致しましては、梅肉で食す鱧の落としや、さっぱりといただく、鱧しゃぶが適しております。

晩秋に旬を迎える鱧は初夏とは反対に、脂の乗った濃厚な味わいになります。食感も初夏の鱧にはない、弾力のあるシコシコとした歯触りになっています。鱧はもともと、食欲が旺盛な魚です。産卵後は栄養を補給する時期な上に、熊などと同じで冬眠を間近に控えています。そのため、冬を越せるように餌を沢山食べて、産卵前以上に栄養を溜め込む必要があり、秋の終わりから冬にかけては、身が肥えて脂が多く乗る時期となります。

2回目の旬を迎え、真冬になって冬眠していると滅多に釣れる事はありませんが、運良く釣れた冬眠中の鱧はかなり濃厚らしいです。鱧は魚だけでなくエビやカニ、イカやタコなど人間も好む魚介を食べるので、当然脂の乗りも良くなります。脂が体表で金色に見える事から「金鱧」と呼ばれたり、その他にも「落ち鱧」、土瓶蒸しで松茸との相性が抜群なので「松茸鱧」と呼ばれたりもします。

私がおすすめする晩秋鱧の一番の食べかたは鱧鍋です。一般的に鱧鍋には玉ねぎをいれて食しますが、セリや、ささがき牛蒡なども良く合います。脂の乗った晩秋鱧を旬の野菜と共に食す鱧鍋は正に絶品です!晩秋鱧の鱧鍋を是非、香水亭六本木本店でお召し上がり下さい。

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