ブログ新橋店
2017.2.24
節分

皆様如何お過ごしでしょうか。
立春が過ぎ、暦の上ではいよいよ春ですね。
京都の町のあちらこちらで紅白の梅の花がほころびはじめました。
「北野天満宮」「京都御所」「二条城」や嵯峨の「清涼寺」「伏見の城南宮」「城陽の青谷梅林」
など京都には梅の名所が数多くあり、梅にちなんだ行事も行われます。
今月は冬の陰気を祓う年迎えの行事「節分」についてお話したいと思います。
節分について
節分とは文字通り節(季節)の分かれ目の事で本来は立春、立夏、立秋、立冬の前日をさします。
しかし、現在では立春の前日(2月3日頃)のみをいうようになりました。
節分が特に立春の前日を指すようになったのは、旧暦では立春が正月と同じく新年の初めとされていたためです。
立春前の節分は、春という新年を迎える前日、つまり大晦日と共通する特別な日でした。
そのため立春前の節分には他の節分にはないさまざまな年迎えの行事が執り行われ現在に残っています。
節分の夜、豆をまいて厄を祓うのはおなじみですが、その由来とされるのが宮中の年中行事「追儺」です。
もともと追儺は、新年を迎えるにあたり邪気を祓うために行われていた古代中国の宮廷儀式で、日本には奈良時代に
伝わったとされています。
ただし、当時は豆をまく風習はなく桃の木で作った弓、葦(あし)の矢で鬼に見立てた邪気を追い払っていました。
現在のように豆をまくようになったのは南北朝時代からで、江戸時代になると一般庶民の行事として広まったそうです。
「鬼の正体」
節分で追い出す鬼とは、もともと疫病・災害などのことを指さしました。
人の目には見えない隠れた恐ろしいものということで「隠」(おに)という漢字があてられていたそうです。
日本では陰陽五行説の思考から鬼は丑寅(北東)の方角(鬼門)にいるとされ、牛の角と虎の芽を持つ
人を食べてしまう恐ろしい怪物だと考えられてたそうです。
「鬼の目をを打つ摩目」
節分では炒った大豆で鬼を退治します。
大豆で鬼の目を打つことから「摩目」とも言われていたそうです。
「鬼が苦手な鰯の臭い」
鬼は鰯の臭いが大の苦手といういわれから、鰯は鬼を払うことができるとして節分の夜によく
食べられます。
大晦日の年取り魚にも共通する鰯は、この時期脂がのって美味しいことも、よく食されている大きな理由です。
「恵方巻きで無病息災を祈る」
比較的新しい風習ですが、関西には節分の日に恵方、すなわち良い方角を向いて太巻き寿司を丸かじりすると
1年を無病息災で過ごせるという言い伝えがあり、これを「恵方巻」と呼んでいます。
太巻きの具は干ぴょう、胡瓜、でんぶなど七福神にちなんだ七種類です
食べ終わるまで何もしゃべらないのが決まりです。
「豆のまき方」
節分の前日は大豆を一升枡か三方に入れて神棚に供えます、これを「福豆」と言います。
夜になったら家中の戸を開け放って一家のあるじが家から鬼を追い出すように「鬼は外、福は内」と大声で唱え
ながら豆をまいていき、福が出ていかないように強く戸を閉めます。
その後、それぞれ自分の年齢の数だけ豆を食べます。
この豆を「年取り豆」といい、一年の無病息災を祈ります。
お年寄りのように、豆の数が多く食べるのが大変な場合は、年の数の豆に熱いお茶を注いで「福茶」にします。
「福茶」は年の数だけ食べるのと同じ御利益があるといわれているそうです。
当店でも、節分の日には「福豆」や「恵方巻」を提供させていただいております。
是非、ご来店お待ち申し上げます。
香水亭新橋店 料理長 橋口定敏